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[ 380] 平城遷都1300年祭マスコットキャラクターに関するお問い合わせに対する総括的なご回答
[引用サイト] http://uwamuki.com/j/130020080308/index.html
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先月末以来、私がデザインした「マスコットくん」が騒ぎになっておりますことを恐縮に存じます。生みの親まで思わぬ事態に巻き込まれて、いささか困惑しながらも、さまざまなことを考えるいい機会になったと思っています。 また、いままでご縁のなかったネット社会の一面を垣間見て、びっくりしたのも事実ですし、ジャーナリズムの素材がその仮想社会から集められ、冷静な分析がおこなわれることなく数字や言葉が先行して報道されていることの怖さも感じました。 そしてなによりもこころを痛めたことは、口にするのも憚られる言葉の刃を、見ず知らずの相手に匿名で大量に投げつけるというネット社会の暗部を知ったことでした。 私のキャラクターに投げつけられたのとおなじような言葉に傷ついて、みずから命を絶ってしまったちいさな命があったことを思わずにはいられませんでした。 私のウエブサイトに寄せられた投稿の内容は、おおむねマスコミ各社からの問い合わせと同様、いくつかに集約されています。そこで、今までみなさまにお答えしてきた内容を以下の項目に整理して回答させて頂くことに致します。 もちろん、このような話題になり、賛否のご意見が活発に交わされたことは、1300年協会にとっても望外の宣伝効果が得られたことと思います。そして平城遷都1300年祭が、今回のことを踏まえたうえで、県民のみなさまのご意見がより一層反映される形で、進められることと思います。 私は、幼い頃から東大寺や興福寺を訪れ、仁王さまや大仏さま、そしてなにより奈良公園の鹿に親しんできました。また二十代の後半には、文化財修復のしごとで、奈良の寺々やご仏像にさまざまなことを教えて頂きました。そのおかげで、今の私があるわけです。 またその理論的支柱として、山川草木悉皆成仏、一切衆生悉有仏性という大自然と融和するたいへん穏やかで寛容なわが国古来の信仰の在り方を援用しています。すべての存在の背後にあるエネルギーの源として「童子」を仮想し、さまざまな姿に変化(へんげ)しながらあらゆる作用の源としたわけです。 このキャラクターのデザインコンセプトは、平城京を造営するときに、興福寺と一体であった春日大社に、はるかかなたの鹿島神宮から神々が鹿に乗って降臨し、都を守ろうとしたという伝説に啓発されました。そして1300年の永きにわたって、この町のひとびとが神鹿としてとても大切にしてきた歴史を念頭においてデザインしました。 芸術表現に対して、受け取る側に好悪の感情が生じる場合があるのは致し方がないことと思います。芸術は、倫理的善悪よりも個人的感情の好き嫌いで評価されるものだからです。 しかし第一印象による評価は、徐々に変化していくのも、芸術表現の常ですので、今回のことも個人的には楽観視しています。第一印象の違和感こそ、あたらしい時代を切りひらく可能性と見るべきだと思います。 いずれにしても、これだけ熱心にみなさんが賛否を語って下さるということ自体、このキャラクターが強い話題力を持っていたということだと思います。このことには、生みの親である私自身の予想を超えたものでした。 もうひとつの争点となっていることに、投稿でも指摘されていましたが、公金を使って決められる自治体イベントのマスコットキャラクターには、個人の楽しみである一般の美術作品とはちがい、地域住民の意見が強く反映されるべきだというご意見です。そのことに私は反対する者ではありません。 ご意見のなかに、彦根市やそのほかの自治体キャラクターと比較して、私のデザインが今のキャラクターデザインの主流から逸脱しているとの批判が多かったことは、永く創作の現場にいた者にとってある意味で衝撃でした。 なおイベントのマスコットという性格上、着ぐるみやぬいぐるみ、各種グッズ類として立体造形になることと思いますが、彫刻家である私は、そのときこそ本領を発揮させて頂けるものと、今から楽しみにしています。 |
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